尿道流れ者

ミュータント・タートルズの尿道流れ者のレビュー・感想・評価

ミュータント・タートルズ(2014年製作の映画)
3.0
子どもの頃のかすかな記憶に下水道の中でピザを食べる亀たちを覚えている。詳しくは覚えてないが、子ども心に暗い画面が苦手であまり楽しく観ていなかった気がする。

この映画は記憶の片隅にあった何かを繋ぎとめ、辻褄を合わせて散らばった断片を興奮という形で飛び石のように空白はありながらも一つの筋に繋げてくれる。

映画自体はCGを用いた何の変哲もないアクション映画で、今までのアクション映画から抜きんでたものは感じられない。でもそれで良い。ミュータントが繰り出すカンフー主体のアクションは特別な魅力があるが、ラスボスの闘いの特に跳ねない感じなどもったない。だが、それで良い。
アメコミ物特有のコメディタッチだが特に笑えるものではない。だがそれで良い。狙いすぎたボケでもただ寒いだけのボケではなく、キャラの性格によるものとして受け取れる程度の普通の会話として観ていられるので、笑えないボケも自然に観ていられる。

この映画の抜け切らない面白さというより安定したつまらなさは、童心とその頃の思い出にしっかりとリンクして、無益な安心感と懐かしさを与えてくれる。

好きな映画でも良い映画でも筆頭株に挙がるような代物ではないが、これで良いと納得できるなにか良い映画。ただ、続編を匂わせるような展開を一作目で醸し出すのはちょっと嫌だった。一作目は一作目できっちりとした完結をして欲しい。