練馬花子

百円の恋の練馬花子のレビュー・感想・評価

百円の恋(2014年製作の映画)
5.0
鑑賞後、いや…ちょっとすごいもの見ちゃったな…と震えつつ涙が止まりませんでした。しばし放心…
自堕落な生活を送ってた主人公がボクシングをやっている人を好きになって、自分もボクシングを始めて素敵に変わっていく…なんて甘っちょろいサクセスストーリーじゃありません。家族間の冷ややかな罵り合い、全身ケチャップまみれ、嘔吐、残飯、ちょっとここに書けないようなシーンも結構出てきます。人生ってキラキラ輝いてる場面だけじゃないんだもんね、そのリアルさがたまらなくいい。(でもR-15にしなくていいじゃんと思ったけど)
一子の感情を表にしない性格も、後半の展開に大きく生きてくるなぁと思いました。初めてボクシングを見た後の食い入るような目やラブホテルのシーン、逃げられた後の悔しさ、理不尽なバイト先…それら全部ボクシングという形で昇華していくのは痛快だしかっこいい!あの難しい役を演じきる安藤サクラは人間国宝です。ニートからの変わり様!(調べたら10日間で肉体改造をしたらしいです。あの体型の変化は凄まじい、想像を絶する努力があったはず)
そして試合のシーン。薄っぺらい言葉じゃ語りきれないくらい色々なものが詰まってぐちゃぐちゃどろどろ戦う姿に泣けてくる。最後、クリープの主題歌もすごく良かった。横浜の郊外というロケーションも雰囲気が合っていたし、ちょい役で出てた吉村界人・宇野祥平もいい味出してた。何よりサイコーのクズ野郎 新井浩文…好き♡彼がいなかったら一子は変われなかったもんね、
運動とは無縁に生きてきた私ですが、めちゃくちゃ体を動かしたくなりました!!!!明日からランニングでも始めようかしら。
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