ハレルヤ

天空の蜂のハレルヤのレビュー・感想・評価

天空の蜂(2015年製作の映画)
3.5
1995年錦重工業が開発した最先端のヘリコプター「ビッグB」が「天空の蜂」と名乗るテロリストに遠隔操作で強奪される。ビッグBは福井県にある原子炉「新陽」の真上にホバリングし、全国の原子炉を止めなければビッグBを新陽に落下させると脅迫する。最悪の事態を回避しようと犯人との熾烈な駆け引きが繰り広げられるサスペンス。

公開当時から知っていた作品でしたが、邦画でこの手の映画はイマイチな印象があったので、ずっとスルーしてきました。でもキャストも良いし、何となく見てみようという気になり初鑑賞。

まぁ正直突っ込みだしたらキリがないほど粗いです。特に主人公の息子がヘリから落ちて自衛隊員が救出するシーン。トム・クルーズも真っ青な救出だし、高度どれだけ高いんだよと思うほどの落下の長さ。特にそこが一番引っかかりました。笑

その息子救出のテレビ中継での実況もどこか「はじめてのおつかい」みたいな口調で、緊張感あるはずの場面なのに、何か笑いが出そうになる始末。笑 もうこの辺で止めときます。

原発を狙ったテロを防ごうとしてヘリの開発者の湯原と原発の設計者である三原はぶつかり合いながらも協力して事態を打開しようとする。色んな展開を用意していて全編飽きなかったのは素直に良かったです。

テロとの戦いの裏側では原発を巡る賛否や差別的な扱いによる被害。原発の影で世間から知られずに苦しんでいる人もいる現実についても切り込んだ内容。東日本大震災を経験した時だからこそ原発について大きく焦点が当たった仕上がりになったと思います。

その物語を引っ張るのは江口洋介、本木雅弘、綾野剛、仲間由紀恵などなど豪華な面々。脇役に至っても名の知れた方々が沢山いるので、キャスティングに関しては十分すぎるほど。

ただ宣伝がダメ。ヘリに偶然乗り込んでしまった息子の救出だったり、テロを未然に防ぐ印象が前に来ているので、ハリウッドの対テロアクション映画のようなイメージ。それを期待したら肩透かしを食らうと思います。内容自体は悪くはないのでちょっと勿体無い気がしましたね。
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