風来坊

天空の蜂の風来坊のレビュー・感想・評価

天空の蜂(2015年製作の映画)
4.0
原作は未読。重く切ないお話しでなかなか見応えのある人間ドラマだったと思います。堤監督は公開時に「この映画は反原発映画ではない」と発言したそうですが、原発の負の部分しか描いてないので反原発寄りだと思う。しかしながらぶれないメッセージ性があるので好感は持てます。

予算の関係上ハリウッドのアクション映画みたいにド派手な展開が出来ないのは仕方ないので、何処かで時間を稼がないとはいけないんでしょうが、やっぱり会議シーンなんかが長いなぁと思います。

ドラマ的な盛り上がりを重視した結果、リアリティに欠ける場面もありますが許容範囲です。江口洋介さん本木雅弘さんはやっぱり上手いですね。綾野剛さんも不気味な感じが良かった。脇を固める面々も個性派揃いで面白いです。あんな役って言っちゃいけないけど仲間由紀恵さんは勿体ないなぁと思いました。あと柄本明さんが「さぁたけぇぇ!」って叫ぶシーンが笑っているように見えちゃうのが気になりました。

街頭で事件に全く無関心な人の描写がありますが、あれはやり過ぎじゃないかと。一人ぐらいは足を止める人はいると思うしそう信じたい。それぞれの人を思う気持ちがぶつかり合う。個人的には若手刑事の執念には胸が熱くなりました。序盤の退屈さはあるけれど、全体的には良い映画だったと思います。
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