につた

はじまりのうたのにつたのネタバレレビュー・内容・結末

はじまりのうた(2013年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

最初の気乗りしない退屈な演奏シーンからの、別視点での同じ演奏シーン。
見方、演出を変えるだけでこんなにも素敵なものになるのかと、一気に引き込まれた。
まるで、ラストシーンかのような気持ちにさせられて、これは好きな映画だなと、直感的に思った。ホームレスのような見た目のダンの単なる妄想に過ぎないのだが、このタッグならすごいとこまで行っちゃうんじゃないか、って見るものを期待させるすごいシーンだ。

迎合せず、妥協することのない2人の生き方は素敵だし、心地よくずっと見ていたいと思わせた。そんな2人だからこそ、惹かれ合う必然は、なんとも言えず、甘酸っぱい。特に、ダンスシーンは大勢の中にいるのにまるで2人だけの世界かのようで、忘れられないシーンの1つだ。実際に恋をしていたかどうかは正直わからないが、誰にも言えないことを思わず話せちゃうような安心感と2人だけが共有する世界。親と子の関係でも友達同士の関係でもないし、はたまた恋人同士の関係でもない。この関係性が絶妙で、ホントによかった。

ホントにストーリーもいいし、音楽も素敵なこの映画だが、グレタのかわいさ、これだけでもこの映画を観る価値があるぐらい。頑固でとっつきにくいが、心から音楽を愛し、無邪気に笑う。一癖も二癖もあるがそこがまたよい。

とにかく観るべき作品だし、何度でも見返したい、そんな作品だ。
につた

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