エニグマ

岸辺の旅のエニグマのレビュー・感想・評価

岸辺の旅(2015年製作の映画)
3.7
3年間失踪していた夫が突然帰宅し、自分は死んだのだと妻に告げる。そして2人はお世話になった人を訪ねる旅に出るのだった。黒沢清が描く夫婦の愛。

生者と死者の区別が付かないという設定が面白い。そして、願いを果たせず彷徨っていた人々の去り際は何とも言えない寂しさがあった。しんみりとしたロードムービーの一方、ホラー演出もかなり多い。小松政夫のシーンはゾッとするものがあったが、人が死んだらそれを取り巻く環境も一気に朽ちていくのだという印象を受けた。光の使い方や人ならざる者の表現は後の「散歩する侵略者」に通ずるところがあると思ったり。5分も出てない蒼井優の演技が恐ろしい。
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