B姐さん

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)のB姐さんのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

昔のゴダールのようなタイトルバックが始まり、“流麗”で、“洗練”された撮影技術“そのもの”に感嘆していたのだが、途中から、奇をてらった感満載のカメラワークに恐ろしく飽きてきて「いい加減(カット)割ればいいじゃん」と思い始めたが、それでもインポでナルシストのエドワード・ノートンやセルフパロディをやらされるナオミ・ワッツが面白かったりするもんだから我慢できていたが、やっぱり、あまりにも作為的で過剰な演出が続くので、斬新であるはずのドラミングのサウンドトラックまで異化効果どころか、違和感すら覚えるハメになり、物語にイマイチちゃんと集中できずにいると、まあ、でも冒頭のレイモンド・カーヴァーの小説からの引用がどうせテーマでしょ、と適当に推測し、そういえばカーヴァーの「大聖堂」って小説はよかったな、うん、あれは感動したわ、しかし今更ハリウッド批評とかをメタ視点でやるってセンスってどうよ?わからんけどさ、そういえばロバート・アルトマンの『ザ・プレイヤー』もそんな感じだったっけ、あれも冒頭長回しするんだよな、たしかオーソン・ウェルズの『黒い罠』の引用をして、あれはかっこよかったよなあ、やっぱアルトマンはすごいよ、それを全部ブラックジョークにしているのも面白いよな、大人の皮肉だよ、あれもオスカー獲ったっけ?パルムドールだっけ?、などと全然違う方向に想像の翼を広げて飛んでいってしまって、気付いたらマイケル・キートンがあんなことになり、天狗になるとか鼻っ柱を折るって表現あるけどアメリカでも似た感じのあるのかねえ、帰ったらググってみるか、でもさ、その結果、批評家から都合良く評価されるってえどーいうことだ、いや、そのことで演劇界も皮肉ってるということなのか?おいおいわからんぞ、と毒突きそうになったのだが、重要な箇所を見逃していた可能性もあるので、吐き出そうとしていた唾を飲み込み、あまりに退屈だったとはいえ、途中から少し寝てしまったことを後悔しているので、暗澹たる気持ちを抱えながらもう一回観るかどうしようかちょいとばかし考えたが、細かいところはともかく、天狗になっていた鼻を吹っ飛ばして、プライドだけは肥大化した落ちぶれた映画俳優がもう一人の自分<バードマン>を殺すという「擬似的な死」を経験したのち、自分を取り戻し、真の“ヒーロー”になりましたとさ、てことで自分的には落ち着いちゃって多分観ないので、だれか間違っていたら教えてほしいっす。

@TOHOシネマズ新宿(5/1/2015)

しかし“長回し”風レビューはつかれる。
B姐さん

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