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バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)のZELのレビュー・感想・評価

4.1
イニャリトゥとルベツキの傑作であり
マイケルキートン復活映画。

デルトロ、キュアロンと共に3代メキシカンディレクターの1人イニャリトゥのオスカー受賞作品。

やりやがった。映画界への革命。
当時映画館で観た時の衝撃は忘れない。
ルベツキの作り出す圧倒的な映像体験。
レビューするにあたって1年ぶりくらいに見直したが色褪せていない。

中心は4人。主演マイケルキートン。
やたらと目立つエドワードノートン。
不安定な娘エマストーン。
そしてナオミワッツ。
特に先の3名は光る。

マイケルキートンという俳優のキャリアと重なる本作は彼の代表作であると同時に救出映画でもある。アカデミー賞では主演男優賞でエディレッドメインと一騎打ち。マイケルキートンを応援していたが敗れた。ただエディレッドメインのあの喜び方、感情爆発の歓喜を見ると自然と拍手がでる。毎日オスカーを磨いて話しかけて世話をするって。今も続けてますか??
オスカーを受取りに壇上へ行く道中でチラリと客席のマイケルキートンが映る。静かにそっと用意していたスピーチ原稿を懐へしまう様子が。切ない。

エドワードノートンも完璧。
その年の助演男優賞では2番手で賞レース参戦。だがフロントランナーは強力。セッションのJKシモンズ。こりゃ勝てん。彼がいなければノートンが受賞だったかも。

エマストーンは本作で初ノミネート。
受賞は逃したもののララランドですぐオスカー女優に。主演を狙える女優だっただけによかったかも。女王陛下のお気に入りでもノミネート獲得。順調です。

撮影のエマニュエルルベツキ(通称チーヴォ)はゼログラビティに続き2年連続受賞。しかも翌年レヴェナントで3年連続。やばすぎ。

イニャリトゥも翌年レヴェナントで2年連続監督賞。バベルで逃してからこの快進撃。ノッてます。

オスカーに巻き起こるメキシコ旋風。
過去6年で5回メキシコ監督が制する大躍進。カンヌの審査委員長も経験し今や世界を代表する監督となったイニャリトゥ。
今後も目が離せません。
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