鰹よろし

間奏曲はパリでの鰹よろしのネタバレレビュー・内容・結末

間奏曲はパリで(2013年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

 男女のそれぞれのやり取りが良いね。言葉のチョイスかな。皮肉を交えたり悪態をついてしまう夫婦間。新鮮でロマンチックな浮気間。そして湿疹の位置づけ。隠したりすぐにさらけ出したり、なかなか見せなかったり。

 新しいもの好きな妻と、ベターな夫。夫の妻を思う気持ちは本人の前では描かれない。素直になれない不器用さがまたなんとも言えない。パスワードがブリジットだったり、食卓(だったけ?)で慣れ染めを語りだしたり。夫の妻に対する俺についてこい的な関係性を、浮気における尾行で持ちつ持たれつな感じにしてね。そして過去の情事が明らかになって、当事者間では見えないものを、第三者がガツンとね。とあるレストランにおいて肉の部位でもめる前後で運転手が変わっていたりもね。

 フェンス越しの世界の対比もこれまた綺麗。パーリナイトと就寝老人、牛の出産とひやかし。一線を画す世界の住人。わざわざフェンスをまたがせる画を入れているのがね、また堪らんね。


 息子のサーカス??(トランポリン)のところは涙が出たわ。息子に対して不満があった部分。認めていなかった部分。馬鹿にしていた部分。偏見があった部分。都会に想いを馳せることで「思ってたのとちゃう」というのが妻の視点で前面に押し出されるわけだが、それは負の要素ばかりであって、この息子の件が見事なまでに正の要素の演出で映える。何なんだろうねこの観せ方は。

 さらに最後ね。羊飼いのポストカードだかを見てね。領収書を見てね。彼女同様言葉にならないね。
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