シロ

きみはいい子のシロのネタバレレビュー・内容・結末

きみはいい子(2014年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

池脇千鶴が尾野真千子を抱きしめるシーンは、みんな泣いてたけどなぜか私は全然心に来なかった。

私の両親はかなり手をあげる方だったから、尾野真千子が「なんでこんな簡単なこともわかんないの!」とか支離滅裂なことを言いながら殴るシーンは「あー、分かる分かる」って感じだった。だけど、別に私の祖父母は子供に手をあげる人間じゃない。幼少期に虐待を受けた親だけが子供に暴力する訳じゃないと知っていただけに、暴力にきちんと理由があったことに対して羨ましいとさえ思ってしまった。

過剰な体罰を正当化して、罪悪感なく殴る親を持った子供の辛さを知ってると、親側の都合を見せられても「そんなの子供の辛抱に比べたら」とか思ってしまうのだ。私はまだ親になったことがないから、大人の辛さが分からないだけかもしれない。

だけどすごく好きだったシーンもあって、呆けたおばあちゃんが、障害者の子を持つ親に対して「あんなにいい子は居ないですよ」と言われて親が号泣するシーン。あれは真実に近いと感じた。

ストーリーを教師目線、虐待親目線、おばあちゃん目線の3本立てにした理由もよく分からなかった。要素はとてもいいが作品全体としての完成度はもう少し上げられたのでは、と思った。
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