一億個民総イライラ状態の日本にあっては、受け入れられて然るべき作品かと思います。
自らが為すがままに負の連鎖に加担するのではなく、可能であれば正の連鎖の出発点を目指すこと、そこまでの力が無いのであれば、せめてもの避難場所を設けること、共感力を養うこと。
負の連鎖を断ち切るためのささやかな方法論として、この映画が投げかけるメッセージは、大変有効であると思います。
敢えて難癖をつけるのであれば、学年主任などの学校上層部の人間が、ある種、「事なかれ主義者」的な描かれ方をしている点と、出てくる父親像が「仕事優先で家庭を顧みない」タイプと「虐待をする義父」と、マイナスイメージだけで描かれている点は、ちょっとかわいそうだなと。世の中、理想に向かって猛進できる人の陰には、現実を噛み締めながら生きている人達がいるわけですから。
女性向けの作品なのかな?手放しで褒めるわけにも行きませんが、総じていい作品でした。