YokoGoto

マルティニークからの祈りのYokoGotoのレビュー・感想・評価

マルティニークからの祈り(2014年製作の映画)
4.8
実話を元にしたフィクションなのか。どこまで実話なんだろう?すごく良く出来てたし、正直面白かった!!あれ?思いの外、Filmarksのレビューが少ないのだが、あまり観られてないのだろうか?(笑)はずさないのでオススメする。


知り合いにだまされて、麻薬の密売容疑でフランスの刑務所にいれられてしまう韓国の主婦。言葉が全く通じない国で、なかなか進まない裁判。韓国に帰れない日々に主婦の心身は疲弊していって…という、実話を元にしたフィクション。


とにかく、主役の主婦役のチョン・ドヨンの演技がすばらしい!!!

どこまでも疲弊していく心の様を、表情一つで十二分に表現するすばらしさ。その他、韓国領事館の不誠実な感じや、胡散臭い夫の友人など、キャストがピタリとハマり、みなさん演技が上手い。(ただ、夫役の、コ・スだけは、線の柔らかさが最後まで崩せなかった感じが、ちょっと不満。笑)チョン・ドヨンの演技のすばらしさが、映画の評価を大きく左右したと言っても過言ではないだろう、とさえ感じる。本当にすばらしい。


もちろん、事件の発端は、主人公たちの多少の自業自得感はあるのだが、その後の、救われない理不尽な運命に、一喜一憂してしまう。このあたりは、監督の見せ方の上手さもあったと思う。

特に、チョン・ドヨンが逮捕されるまでの“振り”が、短い尺のなかで、手際よく展開されていくあたりは、とても上手いと感じた。その後の、物語の展開の配分も上手いので、全く飽きさせること無く2時間が過ぎていく。
ただ、ラスト部分が、若干メロドラマ風展開になっていったところだけ、気にはなり、もうちょっとスマートの方が良かったような気もしたが、、、、、。ただ、全体的に本当に面白かったので大満足。


韓国のネット社会、役人と国民の温度差、アジア人への偏見など、社会派メッセージは、主張しすぎず、それでいて軽すぎず盛り込んでいる所も、なかなか良かったと思う。
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