みんと

マルティニークからの祈りのみんとのネタバレレビュー・内容・結末

マルティニークからの祈り(2014年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

「宝石をフランスに輸出すれば莫大なお金が手に入る」と聞き、渡されたスーツケースと共にフランスへと旅立った1人の韓国人女性がいた。

しかしそのスーツケースの中身は宝石ではなく大量の麻薬であったため、入国時に逮捕され、フランスで刑務所生活を送ることになってしまう。

そこで待っていたのは想像を絶するほど劣悪な刑務所生活。

彼女は麻薬と知らずに輸入を試みたので、その証拠さえ提出することが出来れば裁判を受けて韓国に帰国、或いは刑期を短くしてもらうこともできた。

だが、外交通商部の杜撰な対応のせいでその夢も遠退くばかり。

劣悪な環境下での彼女の監獄生活と、外交通商部のいい加減な事務を見ていく内に、「あんたらがもっと迅速に対応していれば彼女があんなに酷い目に会うこともなかったのに、、、」と外交通商部の人間に対する憎悪のようなものが生まれた。

ほんと胸糞悪い。

韓国から送られてきたあの裁判書類に何の手も付けられず、ずーーっと棚の中に置き去りにされたまま時が過ぎていったシーンには底知れぬ怒りがこみ上げた。

この映画は、観る人が悲劇の主人公に同情し、外交通商部の人間(特にあの2人)を徹底的に憎悪するように作られた気がする。

「トガニ」のように、悪を徹底的に悪たらしめる映画の構造にはスカッとするものがあり、主人公も死なずに帰国を果たしたのでそこが唯一の救いだった。

獄中の生活で彼女が出会ったフランス人の女性が何の罪で刑務所にいるのか、彼女がフランスを去ったあとあの女性はどうなってしまったのか。

それが物凄く気になる。
みんと

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