このレビューはネタバレを含みます
ラスト愕然とした
ジョーだって大概短絡的でエゴイスティックだけど、この爺も全然話聞いてないし無理解も甚だしくない?と思ったら… 最後のセリフで突き放してくる
欲望的で動物じみているジョーと対置する形で、理性的でクリーンな存在として爺ちゃんが聞き手の役割を持つ でも結局は…
トリアー監督がクリーンな人間なんか出すわけが無いのでなんか最後の展開は想像に難くないと言えばそうなんだけど
女性の権利がなんだと言っておきながら女性の立場を微塵も考えてないというオチがあまりにもストレートなパンチで笑ってしまう 自分と違う立場のものを思いやる、同情するという行為がいかに自己中心的で偽善的かということを考えさせられる
色情狂であるが故に苦難の道を歩んできた末の答えが「性を捨てる」とか、性的倒錯のために孤独である人に同情したとか、色情狂云々を抜きにしてジョーの人間性に疑問を抱くところが多々あった
サディストの男に(事前にルールを伝えられてるにも関わらず)セックスを迫ろうとするシーンが最悪
倒錯と言っても人様々なはずだし、マイノリティという点だけで自身の倒錯した部分と同価値に見るのはどうなのと思う ジョー自身孤独を埋めたかったからという意味はありそうだけど(でも自分のアイデンティティを強く意識しすぎているがために同族嫌悪はする)
特異な性的体験を描くことで鑑賞者と作品は切り離されているように見える一方で、がっつりストレートに人間普遍の愚かしさやグロさを突きつけてくるので衝撃的な絵面を期待して面白半分で観てるとウ゛ェ〜ッとなる作品だった
なんかちょろっとヘッズのBurning Down the House流れたの好き(またエンディングでラムシュタインかかるのかと思ったらそうじゃなかった…)