あきら

ニンフォマニアック Vol.2のあきらのネタバレレビュー・内容・結末

ニンフォマニアック Vol.2(2013年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ジョーの暴力的なまでの欲望がジェンダーへの反逆だとしたら、その人生は刺激を増幅することでしか立ち行かないのか?全てを破壊することでしか満たされないのであれば、どんな悲劇も喜劇となり、死の瞬間彼女は再びオーガズムを迎えるだろうか。

セリグマンはAセクシャルだけど知識欲は半端ない、その上ジョーに「自分に理解できない話だから数学に無理やり当てはめててつまんない」とまで言われれば、「じゃあ一発試させてみろよ」ってなりますよ。怒り勃ちもしてなかったけど笑
ジョーの話で自身も知らない欲望を暴かれてしまう小児性愛者、上手い伏線だったな。

セックス依存性とは違って、ジョーはやめられないのではなくやめないんだろう。家族も、友人も、仕事も、毎回毎回天秤にかけて切り捨ててきた。
しかし、ジョーが悪と自認しているのは人を殺そうとしたこと。それこそが、教わらなかった愛だったのに。
そして、それに対する答えのなんと残酷なことか。

公平にジャッジできる男は彼女が殺し方、愛し方を忘れてしまったことから悪ではないと裁く。
それを受け彼女は初めて、セクシュアリティではない方を選ぼうとする。
愛と性は切り離せないから。キスをすることも、乳を吸うことも、裸になることも、赤ん坊にすることも、男にすることも全て等しいから、その全てを捨てることに彼女は希望を見出だした。

しかし、その決断も虚しく、唯一の友人は彼女を侮辱した。愛がなければ生きてはいけないということか。人を殺め、神を裏切り、5+3の物語はその先へと続く。
フィボナッチ数、ジェンダー、バッハの三重奏……この世の全てに纏わる規則を破壊し、彼女はどこに行くのだろう。

vol.1で出てきた少女時代の手術シーンは何だったんだろう?何か意味があるかと思ってたけどどこか見逃したかな?
あきら

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