ハウスジャックビルトを見てトリアーに虜になってしまったので、タイトルや内容を知ってはいましたが、見たことがなかったので見ました。とても良かったです。
性的なことが取り沙汰されがちだけど、トリアー監督は情念の人なのだなと思いました。聞き役のセリグマンは文学の造詣が深く、理知的な思考を働かせて、ジョーを分析していますが、結局のところは情念に負けてしまう。そんなセリグマンよりも、不可逆的で生得的なセクシュアリティから生じる情念にものすごく素直なジョーの方が私は好きです。
そして何よりもセクシュアリティの話になった時に、セリグマンはフロイトや文化構造論を持ち出してジョーのセクシュアリティを説明しようと試みていましたが、実体験を基にした素直なジョーの方が説得力があるような気がしました。
ラストに関しては、ジョーにお友達が出来なかったことがとても残念で、泣けました。