マクガフィン

パシフィック・リム アップライジングのマクガフィンのレビュー・感想・評価

2.9
巨大ロボット(イェーガー)を駆使する人類とKAIJUたちとの激闘から10年後の物語。シリーズ第2弾。

前作のダークな雰囲気が漂う世界観から、一転して明るく聡明な背景になり、ドラマパートやキャラ構築は浅くて時間を割かないので、テンポよく突き抜ける疾走感は賛否あると思うが、映画館鑑賞の利点を最大限に活かした爽快感に溢れる。A.Iの脅威問題も同様にエンタメ路線に全く邪魔にならない程度に取り入れる。

渋谷の看板の文字や富士山までの距離感やガンダムを見せれば日本人が喜ぶアクセントになるだろうという違和感が垣間見れるが(登場シーンは強引だが、ガンダムは少し嬉しかった)、ロボット同志やロボット対怪獣などの様々なアクションを盛り込んで、純粋に見て楽しめるエンタメ映画で、映画館とTVサイズでは印象が違う典型的な作品に。

終盤のロボットの重量感を感じる動きが作戦に説得力をもたらす効果や、ロボット愛の前振りがカタルシスを呼応することに。全く別物だが作品を通じて爽快感とカタルシスが妙な拮抗するバランスの良さが作品を引き締めた所以か。

見ていて飽きがこなく楽しめたが、後付け設定や少女の成長譚とシリーズの充填が皆無なことは如何なものか。ハリウッドのトレンドに合わせた大作娯楽アクション映画に成り下がった印象は残念で、独自の重厚な世界観をもう少し汲み取って欲しかった。

何気なく本編とエンドロールの間に続編予告を挟むことに感心する。何だかんだで次作も映画館で鑑賞するだろうが変化は欲しい。