マサヤ

マイ・インターンのマサヤのレビュー・感想・評価

マイ・インターン(2015年製作の映画)
3.7
はじめは女房が先立ち、パソコンも立ち上げられない老人と、家庭を顧みないバリキャリ女社長のデコボココンビを描いた割には、デニーロは急に完璧超人の聖人君主になるし、
アンハサウェイは泣きついてばっかりで何も成長しない、それでいて物事は万事好転していくしょーもない映画と思っていました。

見方を変えると
・自分の能力は顧みず、他人の能力を妬み人目もはばからず泣きじゃくる女性
・弱っている女性にチャンスとつけ入る男性
・付き人の飲酒運転は咎めるが、女社長の無免許運転は黙認するデニーロ
・周囲の助言、自分が一度決めた選択を無視して不安定な感情を優先させるアンハサウェイ

これらをファッショナブルでシャレオツでキレイな映画の中に、とても巧妙に人間の醜さ(=最も人間らしい部分)を織り交ぜている映画だと気付きました。
こうなりたい、これが理想、の中に
結局、男も女もこうなのよ、というメッセージがひた隠しにされています。

この映画を感動系ヒューマンドラマとして見てしまうと、色々な綻びが気になってしまうけど、
その綻びや主人公たちの言動の一貫性の無さが、この映画をより魅力的にしているのかもしれません。

ラストのどんでん返しは思わず声を上げてしまいました笑
マサヤ

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