友達の恋人に恋してしまった女性の話。責任ある職につき、前途洋々たる未来が控えている主人公と、大学生の女友達。社会的身分としては自分の方が上なのに、友人の方がスタイルが良く見た目にも花があり、どこか不釣り合いに思えてしまう。そんな感情が、彼女の恋人に気持ちを向かわせたのだとしたらそれはとてもよくわかる気がする。二人の登場人物が一緒にいるシーンから場面が変わり、時間が未来へ飛んでも、その同じ人物がまた同じ画面にいるというまるで素人が撮ったみたいなカット割に、87年とは思えない粗い画質の中で男女が延々と語り合う。頬への二度のキスで形成される四角関係、そして泣き暮らす主人公。エリック·ロメールらしさに満ちた一作なのでしょうね。