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レヴェナント:蘇えりし者のmatchypotterのレビュー・感想・評価

レヴェナント:蘇えりし者(2015年製作の映画)
3.9
そろそろこの時期、アカデミー賞。
これは2016年のアカデミー賞の監督賞と主演男優賞。

『BABEL』でカンヌの監督賞を獲ったイニャリトゥ監督。

そして、ディカプリオ、レオ様。ここまでの彼と言えばスコセッシとの名コンビ。
幾度とそのコンビでその賞に手が届きそうで届かなかったが、ついにこの作品で悲願のアカデミー賞、主演男優賞。

その気迫。鬼気迫る、まさに字の如く鬼の形相。
もう、これでダメなら2度とアカデミー賞で主演男優賞なんて獲れないだろうと確実に思えるその凄まじさが彼の魂とこの作品に乗り移ってる。

この作品が彼をそうさせたのか、彼がこの作品をそうさせたのか。恐るべき化学反応。

過酷で剥き出しの大自然の中、毛皮を獲る猟師集団の案内役的なポジションの彼が、偵察中に熊に襲われ瀕死に。このシーンが結構序盤でスゴい迫力。
原住民に追われる彼らの集団は持てるだけの毛皮と瀕死の彼を担いで戻ろうとするが、、、。

トムハーディ、猟師集団の中でドライで立場が強く強欲な荒くれ者。
瀕死のディカプリオを担ぐ意味は何なのか、どうせすぐに死ぬのに、と画策。

ディカプリオには息子がいるが、その息子は原住民の血を引くもんだから、余計にトムハーディの気に障る。

トムハーディに悲惨な目に遭わされても、何とか紙一重で命を繋ぎ止めるが体はボロボロ、仲間に見捨てられて殺伐とした厳しい寒さの森の中に置いてけぼり、、、ここから彼の“孤独”で厳しい、死から這い上がるような地獄のリベンジが始まる。

この大自然の、そのままの厳しさ。熊、雪、寒さ、濁流、馬。
この剥き出しでそこにある自然の数々が雄大で、荘厳。

この雰囲気が彼から発せられているのか、この自然から滲み出ているのか、またはその両方か。
終始このモノを言わさぬ圧倒的な大地と彼から発せられるオーラに完全に飲まれる。

さらに、瀕死の大怪我。ろくに歩けもしないボロボロの体で、ただただその怨念のような執念としぶとさで、ただただ生き抜き、少しずつ少しずつ歩を進める、、、ヤツの元へ、、、。

自分が助かるために殺したも同然の奴が生きてて、戻ってきて、追ってくる。

熊、馬、そして、最後の追撃。インパクトが凄すぎる。鮮烈に目に焼き付く描写。そこにほとんどセリフがないから、とにかく一瞬一瞬の画で目と心に刻んでくる。

復讐に燃える男の、決死のリベンジ、ここにあり。少し長いが、それも含めて壮大で圧巻。
途中で出てきた1人のインディアンもなかなか印象的。


F:1985
M:62452
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