もも

レヴェナント:蘇えりし者のもものネタバレレビュー・内容・結末

レヴェナント:蘇えりし者(2015年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

ずっとずっと公開を楽しみに生きてました
あまりに楽しみすぎて仕事の飲み会をキャンセルして定時に退勤して観に行ってしまった…。
周りの人もそんな雰囲気で不思議な緊張感とワクワク感があってよかったです。

復讐する側なのは知っていたけれど、一回目だし構えていろんなとこちゃんとみよ〜〜ワクワク〜〜って感じで見始めたのに、後半ずっと「絶対ころしてやる…絶対に殺してやる…」みたいな何も考察しないメンタルで見てました。普通だったらオエッてなっちゃうようなことも、どうしても生きなきゃ…絶対に生き延びて殺してやる…と思ってしまうくらい。レオさまが喋ってるセリフのあるシーンなんかほんと少なくてほとんどウウーー!とかウガーー!とか言ってるだけなんだけど、その分生きようとする執念を食べることで描いてるのがよかった。食料のない山の中で瀕死の傷を負いながら、昏睡に近い眠りと食べることを繰り返して回復していくシーン。初めは死骸の骨の髄、小鳥、魚、肉や内臓…とどんどん食べるものが増えていって、生きる執念を全身で表してる感じ。
感情移入しすぎてラストのシーン銃撃戦からずっと手を握ってしまったし、刺された時にはビクッとしてしまった。

ストーリーも話の根っこも単純で筋が通っていて、見やすかった。
自分だけが贅沢をして生きるために殺すのと、自分たちが生きるために必要な分だけ殺すのは全然違う。人を騙して殺して自分の富を優先したトムハーディと、自分の子どもを守るために人を殺したレオは似ているようで違って、子供を守ろうとしたグリズリーとレオは同じ。最後にトムハーディは富を持たず、奪わずに生きている人たちに裁かれるけど、レオは生き残る。でもただ許されたわけじゃなくて、あれも生き物としての裁きを受けたのかなと思う。奪うこともあれば奪われることもある、それでも生きている間じゅう息をし続けて、痛みと闘っていかなきゃいけない。持っているからこその裁きと、何も持たないからこその裁き。

パンチのラッシュを浴び続けて、けどなぜか元気づけられて帰ってきたような、そんな感じ。
どんな事をしても生きる、をやりきったレオさまは本当にすばらしい。本当にオスカーおめでとうこざいます。
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