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くちびるに歌をのMaのネタバレレビュー・内容・結末

くちびるに歌を(2015年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

同名小説の映画化。眞島秀和さん観たさに借りましたが、登場は多分5分もないかも(笑)

元ピアニストが、同級生の音楽教師の代わりに地元に帰省し、教師をやることに。

彼女は、自分の演奏会の日に、演奏に向かっていた婚約者を事故で亡くし、それからピアノが弾けなくなった。

ピアニストの再成もそうだが、生徒にもスポットがあてられています。

母を亡くし、父も家を出ていき祖父母と暮らす合唱部部長の女の子。

自閉症の兄の送り迎えをし、その為自分のやりたいことを我慢する男の子。

私は、この男の子の思いにすごく近いものがあります。生きる意味ってなんですか?と元ピアニストの教師(新垣結衣さん)に質問するシーンがあります。

男の子は、自分は自閉症の兄が居なければ産まれてこなかったから、兄には感謝していると言います。

男の子は、自分が産まれてきた意味は両親が亡くなったあと、1人になってしまう兄の面倒を看る為だと悟っています。また、兄が居なければとも思ったと言っています。

私の周りに居る人達は、皆自分のことだけを考えて生きています。自分さえ良ければそれでいいと。

そういう人には、きっと男の子の生き方は理解出来ないかもしれません。

かく言う私は両親の面倒を看る為だけに産まれてきたと思っています。

親は勝手に産み、産まれてきた子に責任を負わせます。子はその荷物を落とさないように、手に入れたいものを捨てたり、諦めたりします。

その葛藤と辛さは、いつも自分のそばにあって、自分の気持ちに蓋をしてくれます。

勿論、この話はフィクションですが、私にはリアルに感じられました。

最終的には、元ピアニストの教師はまたピアノを弾けるようになり、亡くなってしまった彼を思い出にすることが出来、皆それぞれの道を歩み続けます。

ありがちな話のような気もしますが、そこに色んな思いが込められ、観る人のバックボーンによって、感じ方がすごく分かれるのではないかなぁ?って思いました。

最後のシーン(ロビーにて、皆で合唱するところ)は、ベタですが泣きそうになります。

アンジェラ・アキは、最高!! いい曲ですね。
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