Kientopp552

アンダー・ザ・スキン 種の捕食のKientopp552のレビュー・感想・評価

2.0
 こういう「芸術映画」を気取って、内容のない作品ほど嫌なものはない。第70回ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門に出品され、上映が終わって、賛否両論に別れたというが、ブーイングもあったということで、むべなるかなである。

 監督は、1965年にロンドンで生まれたジョナサン・グレイザーで、元々はミュージック・ヴィデオ畑から来ており(なるほど、それだからと、肯くのだが)、長編映画は、これまでに本作を入れて3本ぐらいしか撮っていない。長編映画では、2000年に犯罪映画でデビューし、2004年に『Birth記憶の棘』を発表している。その2004年の作品では、主演がN.キッドマンで、その後の9年ぶりの本作の主演がS.ジョーハンスンであるところを見ると、監督は、美人がお好みのようである。

 『アンダー・ザ・スキン』という題名が既にネタを明かしているので、ラストシーンは最初から既に予想が付く。ゆえに、その先の、プロット的展開が求められる。この展開がないことが本作の絶対的な弱みである。日本語副題「種の捕食」が、観ている者を、更にミスリードをすれば、騙された観衆が「怒り」出すのも当然と言えば、当然である。
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