上海十月

人生劇場 新・飛車角の上海十月のレビュー・感想・評価

人生劇場 新・飛車角(1964年製作の映画)
3.8
新と付くから戦後を舞台にした話に変わってしまった。前作で飛車角は死んでいるので、古風な任侠男が戦後の混乱に放り込まれてるところを描こうとしているのか思いきや笠原和夫節炸裂の作品であった。戦争を呪い、戦後の日本人の変わり果てた精神を嘆いている。志村喬が「戦争に負けるということは国のタガが外れるだけでなく人間のタガもはずれるんもんだね。」と語る。国に帰れば自分の組は、ポン引きになり、ストリッパー一座に身を寄せ離れ離れになった佐久間良子を探す。再会するシーンは、「幸福の黄色いハンカチ」のようだ。音楽が佐藤勝だからだろう。笠原和夫の怨念にも似た声が聞こえる映画であった。
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