比較的科学主義で思考が理系な自分としては、主人公に強く感情移入が出来てしまったが為に、どこかアンニュイな相手のセリフが、あたかも自分に向けて言われているかのように鋭く心に響いた。
自分には理解できない領域だけど、事実として多くの人は宗教を信仰している訳で、宗教的な概念が科学的に立証されていないとしても、逆にその不在の証明が難儀なのもまた然りだ。
恐らくこの映画はフィクションだろうが、科学で説明ができないような神秘的な世界の存在の可能性を示唆してくれるという意味ですごく面白い。（特に自分のような科学主義者向け）
少し前に、戦闘機のパイロットとして戦争で亡くなった時の記憶、つまり前世の記憶を覚えている子供の話が話題になってたけど、生まれる前や死後の世界ってあまりに未知数すぎてロマンがあるよなぁ。最後のエレベータのシーンなんてまさに。
自分もいつか主人公のように“あのドア”を開けて、一歩先の世界を臨める時が来たりするのかな。残念ながら今はまだ、その予兆はないけれども。
ああ、にしても虹彩って本当に神秘的で美しい。芸術だね。
