ヘソの曲り角

Nas タイム・イズ・イルマティックのヘソの曲り角のレビュー・感想・評価

3.8
ヒップホップ史上最高のラッパーのひとりであるNASの生い立ちから衝撃のデビューアルバムillmaticリリースまでを振り返るドキュメンタリー。日曜日でU-NEXTの配信期限が切れるのでとりあえず見た。ちなみに今年はillmaticが発売されてからちょうど30周年。

作りとしては可もなく不可もなく普通のドキュメンタリーという感じ。illmaticという作品についてよりかNAS自身に関しての作品だった。家柄は全然悪くないけど地域の終わってる環境や両親の離婚などによってドラッグディールするしかなかった少年が19歳で奇跡的に音楽で見出される。「音楽がなかったら地元のダチみてぇに刑務所との往復か死んでたかもしれない」というNASの述懐がこの映画の要旨である。80年代後半くらいからのスラム街でのクラック(粗悪なドラッグ)横行や黎明期の公園でのパーティー、ラジオの影響力など先日NHKでやってた"21世紀の地政学 ヒップホップ編"と内容がダブるところが多かったので合わせて見ると理解が深まりそうな気がした。

にしてもデビューアルバムでpreemo、large professor、pete rock、Q-Tipがプロデュースしてくれるのやばくね? それくらいNASが誰から見てもヤバかったってことなんだろうけど。