麩

沈黙ーサイレンスーの麩のレビュー・感想・評価

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)
3.2
なんかやたら面白いな というのが1番最初の感想
日本人にはなかなか共感し難い、弾圧される宗教家たちの物語で、160分の長尺で、タイトルのとおり静かな、骨太地味系映画なので当時日本で大ヒットしなかったのはわかるけど、でもめっっっっちゃ面白いやん 傑作
遠藤周作の原作がありえないほど面白いんだろうし
スコセッシが描く日本のコテコテな美しさがまた良い 原作はがっつり重めな1966年発行の歴史小説だけど、ハリウッドナイズドされることでエンターテイメントとして見やすくなってるので160分が長くない
とにかくアンドリューガーフィールドの演技が良い 窪塚洋介、イッセー尾形、塚本晋也というキャスティングが最高

日本は世界的に見てもかなり珍しい、信仰という信仰を持たない国家だし
Z世代と言われる私自身が完全に無神論者だけど
その根っこってこんな昔から始まってたのか〜
異教を恐れ気味悪がる民を形成するのに大成功したんだな〜としみじみ

信仰を持たない私のような人間が、
宗教を持つ人たちへ普段
「でも目に見えないじゃん…?」「でも何かしてくれるわけじゃないじゃん…?」「神様が本当にいるならこんな無益で理不尽な苦しみって起こらないんじゃない…?」
と疑問に思っていたことを映画で全部やってくれるので滅茶苦茶すっきりはするけども驚く
これ原作を書いた遠藤周作も、監督のマーティンスコセッシもキリスト教の信者だから不思議だなぁ
神の世界は私が思っているより懐が広いんだなー
麩