リネット

沈黙ーサイレンスーのリネットのレビュー・感想・評価

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)
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小説だと読了後の救われなさが際立ってたけど映画はだいぶキリスト教寄りにマイルドに描かれてるなって印象。まだ救いがある。ただ原作は棄教して以降はほぼ年代と出来事しか書かれてないから最後はほぼ映画オリジナルやね。
キチジローが意外とイケメン。もっと醜い容姿にすると思ってたけどそうでも無かったから正直そこは期待外れだった。
島原には何回か足を運んでるのでいろいろと切支丹弾圧についての知識は知ってて奉行所の刑罰のエグさは分かってはいたけど、映像は結構きついね。百姓側には同情できても神父側に感情移入できなかったのは私の宗教観のせいなのかなとか思ったり。「彼らが信じてるゼウスは私たちのゼウスとは違う」みたいな会話とか「はいはい、イエズス会の神父様ですもんね」とか思ってしまうこの皮肉。ガルぺの踏み絵を踏むなって言い切っちゃうのとか本当に無知って言うよりも思いやりに欠けるよなとか、これ日本人的考え方なのか?って自分の考え方に終始疑問を持ってた。
ただ「最初から日本に来なければ良かった」っていうのは違うと思ってて。キリスト教的には本来の目的では無いだろうけど、死は救済というように苦役を強いられてる百姓がパライソにいつか行けるという希望を与えていたのは間違いなくキリスト教だったのは忘れちゃいけないと思う。
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