棄教を勧めるフェレイラ、筑後守イノウエ、通辞と対峙し苦悩するロドリゴ。
彼が戦っていたのは自らの信仰心だけでなく、キリスト教が根付かない日本という沼地であった。
ロドリゴが決断に至るまでの苦悩と葛藤の表現が凄まじく、心に響く。
苦しむ者を許す神の声を聞いたロドリゴは、それまでとは違う形で信仰心を持ち続ける。
信仰とは何か、宗教とは何か、日本人の民俗性とは・・・突き付けられる物が多く、奥深い作品。
キャスト陣の演技は日米いずれも素晴らしい。
原作へのリスペクトに溢れたスコセッシ監督の渾身の一作だった。