じょ

沈黙ーサイレンスーのじょのネタバレレビュー・内容・結末

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます


重い...辛い...けど不思議と約3時間、向き合わなくちゃって思った

苦しんでいる人の意思ってなんて強固なものなんだろう。仮面のように表情を失ってしまった顔って言ってたけど、その下に隠れる生きるためにすがっているものの強烈さ。でも確かにそれって少しフェイクっぽいというか、十字架やパーレルという目に見えるものありきなのかなあ。そういうものに翻弄されてしまうのって私だったら考えられないけど、生きてる時代も置かれている境遇も全く違うから押し付けてしまう傲慢な価値観なのかなあ。

一方対局的なのが役人たちのしたり顔。最初はなんて残酷な奴らだ、って思ってたけど、確かに言ってることも一理あるかなぁと思う。カタチが大事なのではなくて、根底にある考えが大事なんだ。それが根付くか根付かないかはやっぱり土地次第。根本的に無理なことをしようとしてもうまくいかないことある。けどキリシタン側の言ってることも分かるし、途中でどっち側に立つのかわからなくなる映画。役人=完全悪という描き方は実はされてないなと感じた。

フランシスコは、棄教したことで人生の悟りステージ一個上がったんじゃ。確かに、イエスの教えに従順に導いてもらっていた頃は、それがとても強固で絶対的な真理だと疑うことがなかったけど、「沈黙」を守るキリストにどうにかしてくれ、自分じゃどうも分からないから教えてくれて、てすがってただけなのかな。ものや人にすがる漁民たちと同じなのかな。自分の考えというものがなかったのかな〜。棄教=神に背く=倫理に反する ていうだけの論理から逃れられて良かった...

まあ結局は、大事なのはカタチじゃないよ...ていうことは学んだ...

拷問や死刑シーンが本当に残酷...

とにかく深みがすごすぎた。全体的にsufferingが過ぎる...小説読んでもっと理解深める。
じょ

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