TMC

沈黙ーサイレンスーのTMCのネタバレレビュー・内容・結末

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

スコセッシが「沈黙」を撮るという話を耳にして数年、紆余曲折を経てようやく本当に見れたら傑作だった。長く感じるかとも思っていた162分間、劇場が静まり返っていました。
日本を舞台にしたアメリカ映画としても小説の映画化としても上出来で、宗教絡みのフィクションにありがちな説教臭さもなく、残酷描写もやり過ぎず、終始静謐なトーンながら娯楽作としても成立していて文句の付けようがない。
個人的に故郷が舞台の話なのでそれがノイズになるかなと思ったけどそれもなし(知ってる場所を見ると現実に引き戻されがちなのだけれど)。ロケ地が台湾になったのが逆に良かったのかも。原作より、昔のディープな方言が抑えられてたのも正解だと思う。キチジローにしてはグッドルッキングガイ過ぎると思ってた窪塚も素晴らしかった。浅野忠信は普通にすごい説得力でポスト・ケンワタナベは決まりでは。イッセー尾形のやり過ぎなようでギリ、凄い演技になってるのもさすが。でも塚本監督に一番グッときた。
あえて言えば、隠れキリシタン達があそこまでしてキリスト教にすがったのは何故なのかが映画単体ではわかりづらいとは思った。
もうちょっとその辺の描写が要る気がしたけど、スコセッシにとっては自明すぎて無意識に抑えてしまったのか、作劇上の意図なのか。
TMC

TMC