観た回数:2回
直近の鑑賞:U-NEXT(20.05.24)
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"無に祈っているのか…?
あなたはいないのか…?"
"今まで誰もしなかった、
最も辛い愛の好意をするのだ"
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【STORY】
切支丹が激しく弾圧された時代。
日本で行方不明になった宣教師を追って来日した2人の弟子は、残酷過ぎる現実と、人々の強い信仰・絶望を目にする。
【未知への恐怖と重厚なドラマ】
鎖国期間の長い日本に、突然現れた "キリスト教"。
仏教系統の宗教に馴染んでいる所に突然異教が踏み込んできたら、いざこざが起きるのは当然といえば当然。
今でこそ僕は「キリスト教を信じただけで残酷な目に遭うなんて…」と思いますが、"未知のもの" ほど怖いものはありません。
やり方は残酷過ぎる気もしますが、簡単にどちらかを責められるものではないと思います。
そんな、どちらにも強い信仰や恐怖がある状況を描くこの物語は、"正解がない" からこそもどかしく、重厚で悲痛なドラマになっています。
【沈黙】
強い信仰を持ち、信仰を広めに異教の地に踏み込んだ人間が、弾圧・絶望・救いのなさすぎる過酷な状況の中で揺らぎ、壊れていく様子をまざまざと見せつける本作。
神の "沈黙" に打ちひしがれ、狂い、ふさぎこんでいくロドリゴを演じたアンドリュー・ガーフィールドの演技には衝撃を受けました。
ロドリゴから一気に引きになるカメラワークも衝撃的です。
自分も揺らぐ中で、 "為すべきことを今すぐ為す" ロドリゴに胸打たれますね…
黒澤明作品のようなキチジローの雰囲気も印象的です。