n

ミス・バイオレンスのnのレビュー・感想・評価

ミス・バイオレンス(2013年製作の映画)
4.5
おお!これは!めちゃくちゃ好きなやつ!!
もうあらすじとか画面の感じとか事前の情報で、自分が好きなのわかってたんだけどな。ずっとDVDだけ買ってなんか気が進まなくて置いていたのだが、ようやく。

ザ・「ヨーロッパの厭映画」って感じ。
2013年のヴェネツィアで銀獅子賞を取っている。

ある家族での誕生日会の日。11歳になったばかりの少女が家族の目の前でベランダから飛び降り、自殺する。
実はその家族には他人には絶対に言えないある大きな秘密があった...というような話。

とにかく話が強烈。ヤバすぎ。
マジで最悪なんである。でもおれはこういう映画が常に観たい。
一方で統制された画面。画面における人間の、ある種リズミカルでもある出入り。美しい。
画面がしっかりしているからからこそ際立つ、物語の強烈さなのである。

脚本でいえば、巧みなバランス感覚。序盤、家族の生活が描かれるのだが、どうやら家族の父親は、強権的というか独裁的なようである。見方によってはそれは異常なのではあるのだが、また別の見方をすればギリギリまぁこういうのも"躾の一環"としてあるかなっていう(けどやっぱりおかしい...というのが後半になってだんだんわかってくるのだが)。
で、この絶妙なバランスってイコール、アートなんよね。無意識をすくい上げて形にしてるっていうか。そういうのに触れた感じがする作品はやっぱ良い。

まさに、おれの好みドンピシャな感じ。ミシェル・フランコと似ているところがある。
あとは『マジカル・ガール』の感じも。
こういうのがやりたい...。
n

n