何となくそんな予感はしてたけど、予告にあるおじいちゃんとホームレスが団結して権力に対抗する！みたいな映画では全くなかった。様々な人々の様々な生活が断片的に、ぶつ切りにシーンに現れて意味がわからないまま次のシーンに移っていく。登場人物たちはあんまり喋らないし、キャラクターの説明も無いので誰がどういう関係なのか、どういう過去があるのか、どういう性格なのかは全て推測でしか測れず、2時間弱の映画なのに何だか3時間くらい経ったかのように感じた。私にとって不思議なシーン(ロードローラー、壁の向こうの庭)も、彼らには過酷な日常の一部分でしかなく、当事者たちにとってはどうでもいいことなのかもしれない。それよりも、明日どうやって生き延びるか？そっちの方がよっぽど大切だし、寧ろそれしか見えていない。
そう思うのも、登場人物たちの殆どがあまり裕福そうではないから。貧しい人に寄り添った映画……というのとは違うかもしれないけど、貧も醜も弱さも描いて、若干居心地の悪い映画でした。
