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肖像のotomのレビュー・感想・評価

肖像(1948年製作の映画)
4.8
監督木下恵介+脚本黒澤明って事で流石にしっかりしとる。妾の井川邦子に逆ドリアン・グレイみたいな現象が起こる。画家が描く本来の姿とその家族の影響で人生において重要なものとはなんぞやにキチンと気付いて軌道修正を試みるから救いがある。最終的にポジティブエナジーが不動産ブローカーの小沢栄太郎みたいな人の心までにも届くと云う綺麗な終わり方でとても良いけれども、現実の多くは改心もせずそんな考え方も知らずに世を去る人も多いんだろうねぇ。人生には彩りこそをと黒澤明脚本の熱い気持ちが伝わってくる。東山千栄子曰くの「あの人は商人だから」って言葉が印象深かった。
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