三四郎

肖像の三四郎のレビュー・感想・評価

肖像(1948年製作の映画)
4.3
お人好しの家族、幸せだなぁ。
カボチャ…?って、あんな形のもあるのか笑
夜、家族で月を愛でるのもいいものだなぁ。
名月を ヒューズが飛んで 思い出す 笑

「不思議な影があるんだよ、あなたには」と言われた女性。彼女は戦争でひとりぼっちになり、堕落してしまった女性なのだろうか。
「あたし、自分をもういっぺん描き直せるものなら、描き直したいわ」お人好しすぎる家族に出会い、触れ合ううちに、もう一度人生をやり直したくなる女性。
優しくて純粋だからこそ、汚れやすい。井川邦子主演の映画を観たことがないが、この映画の役がよく似合っている気がする。

三浦光子が素手で金魚を掴むシーンは、なかなか衝撃的だった。あの水槽の中の金魚と彼女たち妾は同じ境遇なのだろう。あの水の中の暮らし、妾の暮らし、そこから外へ出てしまうと…生きてゆけない。息もできなくなるほど弱っていき最後は命を絶つしかない。

画家の「人間興奮(怒る)すべき時にいくら興奮したって少しも恥ずかしいことはないんだよ」という科白には、まっすぐな人間の持つ美しさを感じた。

しかし、三宅邦子と井川邦子、どちらもバタ臭い顔で似ている。
「そんな、そんなこと言って、それこそあなたは強く生きるのを怖がってるんじゃありませんか。みどりさん、もしわたくしがあなただったら、この絵の代わりに自分にナイフを突き刺します」三宅邦子、涙涙の名演技。

ベビーフェイスとは、桂木洋子のためにあるような言葉だ。この作品の彼女は、どことなくデコちゃん(高峰秀子)の若い頃に似ている気がする。
三四郎

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