上海十月

肖像の上海十月のレビュー・感想・評価

肖像(1948年製作の映画)
3.5
久方ぶりに再見。二大巨匠で同年デビューの黒澤明脚本で木下恵介監督作品。オープニングクレジットでも右に黒澤、左に木下と同一画面で表示。前回も思ったんですが、これは、フランク・キャプラの「我が家の楽園」が下敷きではないか。踏み切りの英語表記の看板に占領下の日本を感じる。呑気な家族の姿を観て自身の不幸と堕落に恥じる女性。戦争によって全てを失った人かもしれない。大股で寝転んでタバコを吸う女性を足元から撮影するなど木下らしい、当時誰もやらないだろう感が凄い。脚本が黒澤なのでどうも教条主義的で説教くさい。「野良犬」の木暮実千代を本作に転換させ、女性を描くのに定評がある木下恵介に任せた感じがしますね。
上海十月

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