Yoshishun

映画ドラえもん のび太の宇宙英雄記(スペースヒーローズ)のYoshishunのレビュー・感想・評価

2.4
映画ドラえもん35作目は、SFヒーロー映画撮影中に偶然本物の宇宙人と出会い、彼等の星の危機に立ち向か‥‥リトルスターウォーズじゃないか?
となること必死な作品。映画シリーズ、それもオリジナル作品に絞れば突出して評価が低いが、その原因は開始10分ほどでわかる。

言ってしまえば、本作は極めて子ども向けである。いや、本来のドラえもんという作品は子ども向けではあるが、映画シリーズは時に子どもだけで対処するには危険過ぎる冒険や、残酷な仕打ちを与えることもあり、大人もそれなりにハラハラドキドキさせてくるのが持ち味ではあったのだが、本作はそうした大人の鑑賞にも堪えうるシリアスさが完全に抜け落ちている。これは本作の監督が企画段階から「子どものため」として製作していたためだが、本作の場合、のび太たちヒーロー側の見せかけの正義感が強くて本当に子供だましのようである。

せめてポックル星のアロン以外の住民との関わりにももっとフィーチャーしたり、必殺技の度にダサいBGMを流すのを止めたりすればいいものを、そもそも作画がTVシリーズのものと大差ない時点で本作の気合の無さを窺える。先に『のび太の宝島』や『宇宙小戦争2021』を観ていたら尚更だ。

ずっとテンションや展開も子どもだましが続き、ドラえもん映画では珍しく終始小っ恥ずかしくなってしまった。ドラえもんのアニバーサリー映画は割と外れが多いように感じるのだが、本作も例に漏れずその部類だった(因みに1番最低だと思ったのは『人魚大海戦』)。
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