このレビューはネタバレを含みます
外の寒さと対照的に熱っぽいダンスと肌の温もり、心の触れ合い、じんわりと温かいチークダンス。
連絡取れなくなった後の、待ち合わせた水回廊のような場所の水上の霧が今までのことが幻だったかのように立ち上るシーン。ついてくる犬。
彩度の低く寂しげで静的な雪景色のなかを、赤と青のジャケットを着た2人が漕ぐボートがゆっくりと動く場面。
良い。
はじめの2人のランデブー中、女の子が来年の夏は来られないというような不安げな台詞を言っている。口約束は何の拘束力もない。
この二人の”信頼関係”は、男視点で見ていると、彼女には言動の一致がないために、最後の最後まで嘘か誠か、どっちつかずに揺らいでいる。
しかし真実は大きなリスクを天秤にかけてまでした彼女の選択で証明される。
この作品、途中とか失恋した直後に見たら癒されるのかもなと思った。(傷の舐め合い的な意味で)
彼がロッカーということで、愛の強さが激情的、衝動的な行動をする素地をもつという説得力がある。他にもメロディの勇気でないエピもイヴァンの脅しに屈するところと繋がる。そのような地に足がついた、小さいけれど大きなドラマチックさがある作品。