ろく

桃尻娘 ラブアタックのろくのレビュー・感想・評価

桃尻娘 ラブアタック(1979年製作の映画)
4.5
僕は前作より好き。

相変わらず素っ頓狂娘亜湖が妊娠してしまったため中絶費用を稼ぐためにキャバレーに勤務する竹田かおり。まあこのキャバレーのシーンがいいのよ。二人は「お金稼ぐって大変!」みたいな感じでキャバレーで社会勉強だ。キッザニアinキャバレーですよ!キャバレー№1の女性(原悦子)が男子トイレで手を洗っているシーンがなんともいい。このシーンの切なさね。原は二人に「私、お金ためたら六本木で花屋やるの」なんだ、この昭和感。このセリフでズキューンですよ。

このキャバレーがまたハートフルでいいじゃないか。従業員をまとめて慰安旅行にご招待など、うわ、ホワイト企業ですよと嬉しくなってしまう。バスの横にはキャバレー「ロリータ」の文字も。ぷち笑いです。

そして前作でも出たオカマ(当時はゲイとは呼ばずそう言っていた)の高橋淳は今作でも登場。意外とイケメンで嬉しい限り。お父さん小松方正。相変わらずうざ演技。

映画的には「若いものはこれくらい自由でいいんじゃないの」って最近思ってしまう。今の若い人ってマジメな人が多いじゃない。世間も「マジメであることは美徳」みたいな感じだし。でもさ、少しははっちゃけていいんじゃないの。これくらい無茶苦茶でもいいんだよ。そしていったん全て壊して「大人になる」。じゃないと肩凝ってしまう世界になっちゃうぜ。

最後はマジメ女子、栗田よう子がマジメの殻をぶち破り、ゲイでもレズでもいいんだよ展開。なんだこの多幸感。観ていてほんと幸せになる。橋本先生の「好きに生きろよ!」そんなメッセージがぐいぐい伝わるラスト。ああこれ傑作じゃないですか。こんな映画なのに最後震えてましたから。

橋本治は今回も登場。喫茶店のマスターでもはやレギュラー。橋本先生、いい仕事してまっせ。
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