イチロヲ

エロ将軍と二十一人の愛妾のイチロヲのレビュー・感想・評価

エロ将軍と二十一人の愛妾(1972年製作の映画)
4.0
将軍の替え玉になった好色男(林真一郎)が、次期将軍の座をめぐる派閥争いを大混乱に陥れてしまう。「王子と乞食」の系譜をベースにしながら、体制側の人間模様を滑稽の対象として描いている、東映ポルノ時代劇。

権力を乱用することができる立場の自己実現を描いていくドラマ。台詞回しから舞台美術まで、ちゃんとした時代劇になっているところが、さすがの東映撮影所。アホなことを真面目にやることの重要性が伝わってくる。

「呆けた先代将軍、生真面目な将軍後継ぎ、女好きの色情魔」の一人三役を演じる林真一郎が、主演男優賞クラスの仕事ぶりを披露。お笑い要素では、由利徹が異国の娘のよがり声を同時通訳する場面と大泉晃がチンコを切り落とされる場面が絶品。

肝心の池玲子は、なんと怪盗・女鼠小僧の役で登場。奥女中に変装して、替え玉を巧みにコントロールするという、当たり役を得ている。スキンヘッドでお馴染みの丘ナオミも独特の存在感を発揮しており、東映が発掘した女優陣の艶技を拝み倒すことができる。
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