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ゴッド・ヘルプ・ザ・ガールのyuriaのレビュー・感想・評価

4.5
決して傑作とは言えない突っ込みどころ満載のいびつな映画ではあるのだけれどわたしがこれを好きだと思うのは一つにエミリー・ブラウニングの絶対的な可愛さがあって、さらにはカセットテープとレコードのインディーポップ愛(ベルセバ)とお洒落な洋服と可愛さに溢れた何も考えなくていい、他と比べる必要のないハッピーな、ただそれだけのガールズ・ミュージカル映画になっていたからです。

ハル・ハートリーっぽいとかゴダールっぽいとかはこの際わかりきっているのだからどうでも良くて、わたしに大切だったのは大衆的な今のIt girlたちの感覚や琴線に触れる映画が出て来たということであり、映画のチケットが10分で売り切れるというカリスマ現象が、20歳最後の映画として、これは観なければならない、とファッショナブルで普遍的でミーハーな自分の側面を奮い立たせたことでした。

劇中に何度も洋服を着替えるんだけれども(古着屋でまるで着せ替え人形のように試着をしまくる、誰でも経験したことのある高揚感)それなんてまさに女の子としての喜びの一つだし、エミリー・ブラウニングが踊り、歌い、恋をしながら目標も持つ完璧にまた憧れてしまうじゃない、と溜め息をつかせるようなちょっぴり弱いミラクルな女の子像を演じていることは魅力だった。
隣にタイプの違う子が寄り添うこともね。

砂糖菓子のように脆いその時を経験できた/するための、まさに「わたしたちの映画」がコレなんだと思う。
二十歳のわたしに、これは否定する、批評する、そんな映画では全くなかった。
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