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ヴィヴィアン・マイヤーを探してのtubure400のレビュー・感想・評価

3.8
映画『フェイスブック』にでも出てきそうな風貌のジョン・マルーフが、偶然ヴィヴィアン・マイヤーを発掘し、暴いていく中で、ある意味キュレーターとして大成していく姿を描いた成功物語のような前半は、見る人が見れば、voyeuristicというか、悪趣味な気がするだろう。

ただ、この映画の肝はむしろ、後半、ヴィヴィアン・マイヤーの関係者たちが、「こんな事を話すべきではないのかもしれないけれど」と前置きして語り始める、ヴィヴィアンの私生活史にあるのかもしれない。そこで映画の雰囲気ががらりと変わる。単純に、謎に包まれた素敵な(映画で見ている限りものすごく素敵だ)写真家としてのヴィヴィアン、というだけでなく、本当に孤独で、悪魔を抱えていて、理不尽で複雑な一人の人間としてのヴィヴィアンを、compassionを持って描く後半には、マジカルな普遍性があって、素晴らしかった。
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