まさなつ

雨の日は会えない、晴れた日は君を想うのまさなつのレビュー・感想・評価

4.2
あぁ〜なんで劇場へ行かなかったのか!

これ好き。痛いけど好き。

人の心の中の喪失と再生を描くのは、とても難しいと思うけど、これはなんだかしっくりきた。

自分に正直に生きるってのは、本当に厄介だ。みんなそれを覆い隠して日常を生きている。覆いを取ったら周りからはクレージーに見える。だから覆う。常識や法律や制度や校則や上下関係や暗黙の了解やその場の空気やゴミ出しのルールまで、、、みんな抑えて隠して人に合わせてる。自分に言い訳し気付かないふりして無関心を装う。

でも、本当に大切なものを失った時、それまでと同じではいられない。そこから立ち上がるのは並大抵のことではない。今までの自分、周りから見えてた自分を一度リセットしないと。喪失と再生の間には、破壊が必要。一度壊して一から作り直す。そうしないと真の意味での再生なんて出来っこない。映画は、そこまでするかというとこまで徹底して破壊する。今まで積み上げてきたものはいったい何だったんだろう?でも、鎧を捨てた男は確かに一歩を踏み出す。

手を伸ばせば手が届くとこにいる時には、手どころか言葉も交わさないのに、いざ、手の届かないとこにいったら、手を伸ばし探し回る。そして気付きもしなかった事を知り、確かな存在を意識する。

失って初めて気付くのは男の性だろうか、、?

ジェイク・ギレンホールは、こういう役が本当に似合う。クリス・クーパーとの「遠い空の向こうに」の親子役再演(義理ですが)も嬉しい。
まさなつ

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