早矢仕千磨

雨の日は会えない、晴れた日は君を想うの早矢仕千磨のレビュー・感想・評価

3.7
破壊と再生の物語と聞いて。
最初からやや妻との距離がある空気が最高でした。妻が死に、空虚な自分の中にあるものを解消と表現するには何か。愛していたのか愛していなかったのか、それさえも曖昧になりつつある心のモヤモヤを晴らしてくれるのは1つの出会いと衝動でした。生きているだけで誰かに苛まれ、どうしようもないことを受け入れてくれない周りにも会社にも2人の愛の巣でさえも抑えきれない衝動にかられる。破壊することで何故か収まるものがあった。見てる側もカタルシスを感じる。そして見つける妻との確かなものを。そこにはちゃんと破壊なんかじゃなくて無感情でもなくて、たった1人だけに向けた妻なりの表現がありました。そう。破壊したい思いも誰かへの当てつけもじんわり染み込む作品でした。