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雨の日は会えない、晴れた日は君を想うのmihoのレビュー・感想・評価

3.8
そこまで無感情になってしまうもの
なのかってくらい、妻を亡くした
デイヴィスは大きく哀しむ訳でもなく
抜け殻のよう。

でも明らかにおかしな行動を取り始める
から、彼の心の中の静かな葛藤が見えて
今までの日常生活や人間関係の中で何と
なく我慢してた事や思ってても言わな
かったこと、隠してたことをもうどう
でもいいやて感じで手放していき、
たまたま病院で故障していた自販機の
問い合わせ先へ、今の正直な気持ちを
手紙で告白する。知らない誰かに聞いて
もらう方が楽な時もあるからかな。

破壊に魅了され、同時に知らない親子と
交流し、徐々に感情が戻っていき、
また色々な事を構築していく。
よくできた構成のお話をちょっとブレ
させながらも日常の中に自然に溶け
込ませて描いていて、好きなタイプの
ヒューマンドラマでした。

大きな変化が現れるわけではなく、
ジェイク・ギレンホールが静かに繊細に
感情をとても抑えながら演じているから、
それが逆にこの人と妻の別れの前に何か
特別な事でもあったのではと(発覚する
あの件以外で)ミステリー要素もあるん
じゃないかと思うくらい理由を知りたく
なった。

でも理由なんかじゃなくて、ショック
とか目の前で妻に先立たれ自分は生き
残って残ってる状況とか、その時相手
に抱いてた自分の感情とか、とにかく
ほんとデイヴィスは繊細な人でそれを
演じてるジェイクがハマり役でした。
最後に出てきた車の男の一言から、
表情がふと変わるのとか素晴らしい。
見え隠れする妻への想いも!

ナオミワッツの優しい枯れ感も、
息子役の子も良かった!彼は静かに
輝いてたなー。音楽のセンス良すぎだろw
ジェイクといいコンビだった。
でも銃はアカン。

後からググッとくる感情もある。
この映画自体も最後まで観ると
ぐっとくる構成でした。
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