Yuri

ローズの秘密の頁(ページ)のYuriのネタバレレビュー・内容・結末

2.5

このレビューはネタバレを含みます

戦争より、それを起こしている人間の方がよほど怖いです。少しの思い込みと疑念と悪意が重なり、善人に降りかかる悲劇。昨日まで普通だった人々が精神病院という境界線をまたいだ途端、何を言っても取り合ってもらえない恐怖が凄まじかったです。神父がクズ過ぎて、そっちの意味で震えました(>_<) しかも神父が養父かと思いきや、他の人に渡したとかまぢクズ。流れ上、贖罪で育てたのかと思うじゃん(>_<) 協会ぐるみの隠ぺいとか闇深いわー。少しの記憶の中にたった一人で生きるってどれだけ辛くて心細いのだろう?希望すら見失ってしまいそうな年月を信じ続けるローズの強さに胸が熱くなります。戦時中、こういう形で精神病院に入院させられて本当におかしくなってしまった人は少なからず各国にいたのだろうなと辛い気持ちになりました。でも、他の方がレビューしているように号泣という感じではなかったです。ローズの心情描写がとても丁寧で苦しさが伝わってくる作品です。
Yuri

Yuri