椋太

世界一キライなあなたにの椋太のレビュー・感想・評価

世界一キライなあなたに(2015年製作の映画)
3.3
素敵な街に好きな曲。Thinking out of loudもsurprise youeselfも特別な曲だから、ぴったりのシーンで使われていて嬉しい。ただ、全体的に曲に引っ張られてたかな。新鮮味はなく、共感も薄いが、意図は嫌いじゃない。

彼にも宗教があったのだろうか。尊厳死を迎える気持ちは凝り固まって解きようがなかった。彼の堪えきれない絶望に共感できるだろうか。彼女に綴った、"果敢に生きろ、落ち着くな"は良い言葉。素敵だと思った町は彼にとって"人生に疲れた人間が過ごす町"。そんな町が余計に、彼が果敢に生きる心を失わせてしまったのだろうか。彼は立ち向かうことが人生の意義だと思っていたのか。彼女に送った言葉は説得力が薄い。彼女に見た可能性は彼にもあったのに。そう残すなら生きて欲しい。
いつか彼にもっと共感する時が来るかもしれない。そばにいてくれる彼女が話す少し長いユーモアのある話、笑顔、素朴さは、ここまで生きて良かったと最期の感謝を与える存在なのかもしれない。
椋太

椋太