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ブルー・リベンジのmasayaanのレビュー・感想・評価

ブルー・リベンジ(2013年製作の映画)
4.0
物語論として見ると、いわゆる復讐劇の様式を更新するような目新しいものではないと思うが、「殺された親の復讐を決意する男が、必ずしも映画に出てくるようなタフガイとは限らない」という喜劇的なリアルさを盛り込みつつ、劇中で自己言及される「報復は醜い」という命題を引き受けている。

さながら『ノーカントリー』ばりの緊張感を漲らせながら、写真的センスと映画的なセンスが共存する美しいショットを淡々と積み上げていく。最後にたどり着く「夜の森」は、どん詰まった男の心理状態を暗示しつつも、単純に絵として美しく、「そこから退場していく別の男」を描く上でも重要な装置。

侮りがたい佳作。
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