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ブルー・リベンジのペジオのレビュー・感想・評価

ブルー・リベンジ(2013年製作の映画)
4.2
今まで気にしてなかったけど確かに復讐モノって復讐者(あるいは、復讐の代理人)が特殊な殺人スキルを持ってるってパターンがほとんどだった
大義名分を得た暴力に観る側がすんなりとカタルシスを得られる様に
何も無いド素人の一般人が復讐することで別の緊張感と滑稽さが生まれたのは面白いアイディア

「人間なんて人生かけてやっと一人救えるかどうかのちっぽけな存在」なんて聞いた事があるが、一人殺すのだって全人生かけないとやれない(しちゃいけない)だろう
過去の優れた復讐映画はやはり復讐を「生きる目的」として主人公達に与えてきた訳で、その不毛さを空しさや哀しみをのせて描いていた
その点この映画の主人公は全編に渡って受け身な印象で、最初の復讐すらも「俺がやらないと駄目だよな…長男だし…」みたいに見える
自分発信で確信を持って行動しなかった故の不安と、終わりの見えない復讐の連鎖への不安がリンクして主人公の行き先に大きな闇を暗示する
闇といえばアメリカの田舎の得体の知れない怖さもそうで、暴力の行使を何とも思っていない人々の存在はもはや異界の闇を感じさせる

さりげなく気が利いたショットや演出がおもしれえ
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